給与計算の仕組み

会計事務所では顧問先から依頼を受け給与明細を作成することもあります。自分がもらう給与明細はせいぜい手取りの銀行振込額くらいしか見ませんが、お仕事として給与明細を作成するためには仕組みを知っておかないいけません。

まず

給料は基本給プラス職務手当だったり特別手当、役職手当など色々ありますが、この支給額はお客様から提示していただく金額になります。

交通費は基本的に非課税です。公共交通機関での通勤費であれば最高が10万円です。それ以上超えると課税交通費となり給与扱いとなります。ちなみにマイカー通勤の人は計算方法が違っていて、通勤距離によって非課税枠の範囲が違います。

総支給額が決まれば、次は社会保険料です。

健康保険料
介護保険料(40歳~64歳)
厚生年金保険料
雇用保険料

規模の大きい会社であれば厚生年金基金に加入しているところもありますが、おそらく上記4つが社会保険料となります。

社会保険の健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は給料のアップダウンのつど金額が変わると思いがちですが、そうではありません。通常4月5月6月の3か月間の総支給額(交通費含む)のひと月当たりの平均を出し、その平均額が基準の社会保険料額となり、9月からの社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金)となります。

基本9月から翌年の8月まで社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金)額は変わりません。

雇用保険料は業種によって違いますが、建設業は0.5%(5/1000)、一般の事業は0.4%(4/1000)です。総支給額(交通費含む)に今日保険料率をかけます。

実際の計算を例を上げて説明すると、

+基本給+その他手当など<200,000>
+交通費<10,000>
▲健康保険料<10,956>
▲介護保険料<1,738>
▲厚生年金保険料<20,000>
▲雇用保険料<840>
→→→【A】<176,466>

+【A】<176,466>
▲非課税交通費<10,000>
→→→【B】<166,466>

【B】の金額を源泉徴収税額票に当てはめて出た答えが源泉所得税です。

+【B】<166,466>
▲源泉所得税<3,550>
→→→【C】<162,916>

+【C】<162,916>
+非課税交通費<10,000>
→→→【D】<172,916>

ざっと説明するとこんな感じです。

これまでの説明を反映した給与支給明細書はこちら
(介護保険料は健康保険料欄に足して入れています)

給与明細の見方が分かるとこんなに社会保険料払ってるんだ…と実感がわくと思います。給与から天引きなので支払ってる感が薄い気がしますので。

健康保険料と厚生年金保険料は会社が半分負担する仕組みとなっています。ですから実際の健康保険料と厚生年金保険料は給与明細に載っている金額の倍ということになります。決まりとは言え、給料とは別にかかる経費(法定福利費)も結構な金額となりますね。雇われてる方にとっては会社が半分負担してくれるのでありがたいシステムですが。